警察犬日記 6


訓練士にとって、訓練と同様かそれ以上に重要なことは犬の体調管理です。食欲があり、毛づやも良く、いつも元気に走り回ってほしい。

何か異常があると、若い犬ほど進行も早く最悪手遅れになることもあるので、食欲、便の状態、水の飲み方、歩き方、元気のあるなしは、最低のチエックポイントです。それでも、何年も訓練士をしていても、見たこともない病気にかかることもあり、何かおかしいような気がする程度で獣医につれていくと良く見つけましたねと言われることもあり、ほっとすることも度々です。

犬同士で遊んでいて、思ってもない事故が起こることもあります。
ボールを追いかけていた犬がサッカーのポールに激突し脳震とうを起こしてひっくり返りあわてた事もありました。ある日は、ガラスドアに突っ込んでいって、血まみれになりキョトンとしている犬もありました。ガラスそうじをして、ピカピカにしたのが、あだになったのです。

ワクチンの注射や検便など定期的な健康チエックはかかすことができません。
団体生活をしていると、風邪などウィルスによるものは感染していくこともあります。皮膚病なども、治りにくいものや遷るものもあるので要注意です。

獣医さんも内科や外科や眼科やありとあらゆる事を見なければならないので大変です。専門に分かれているわけではないので、どこの獣医さんにかかるかは大事なことです。
直りが悪いときや、説明が的確でない場合、獣医を変えることも必要になります。

犬の寿命は人間より短いので飼った以上最後まで面倒をみるのがあたりまえで、その一生の間風邪も引けばお腹をこわすこともあります。それでも近年は人間と同じように寿命も延びて15歳を越えることも珍しくありません。言葉が話せないので、体調が悪いときは察してあげることが必要です。
老化も歯からきたり、耳が遠くなったり、白内障にもかかります。

警察犬としての寿命は、運動量の多い警戒訓練は7・8歳ぐらいまでですが、鼻が中心の追及犬だと10歳前後、選別犬は10歳を超えても活躍してるものもいます。

一緒に仲良く年をとっていきながら、楽しい思い出を作っていきたいと願っています。